GitHub Arctic Code Vaultを含む共同プロジェクト「GitHub Archive Program」
GitHub Arctic Code Vaultは、GitHubのオープンソース ソースコードを保存する「GitHub Archive Program」のプロジェクトの1つだ。GitHub Archive Programではデータ保管を、「コールドレイヤー」「ウォームレイヤー」「ホットレイヤー」の3つに分け、そのコールドレイヤーの取り組みに当たるのがGitHub Arctic Code Vault、という位置づけである。
ウォームレイヤーはコールドレイヤーのように“氷づけ”するのではなく、参照される保管方法。これには、世界のWebを保存し続けている「Internet Archive」と、ソフトウェアを保存している「Software Heritage Foundation」とのパートナーシップにより行われる。
ホットレイヤーは常に更新されているGitHubのパブリックリポジトリをリアルタイムで保存するもので、「GH Archive」と「GHTorrent」という2つのパートナーコミュニティが行う。GitHubのAPIにより公開されているすべてのイベントをモニターし、そこからデータベースに追加し、統計分析などに利用する。
GitHub Arctic Code VaultはGitHub Archive Programのプロジェクトの1つ GitHub Archive Programは、スタンフォード大学図書館、Long Now Foundation、 Internet Archive、Software Heritage Foundation、Piql、Microsoft Research、オックスフォード大学ボドリアン図書館などの機関や団体とのパートナーシップによって実現する。
GitHub Arctic Code Vaultの発表と同じ1日目に開催されたブレークアウトセッション「GitHub Archive Program Partner Panel」では、それらのパートナーが壇上に集まり、自社の取り組みをそれぞれ紹介した。
GitHub Universeのブレークアウトセッション「GitHub Archive Program Partner Panel」の様子 GitHub Arctic Code VaultでGitHubと組んでいるPiql社のPatricia Alfheim氏とBendik Bryde氏は、Piqlのマイクロフィルム技術と、前述したArctic World Archiveについて説明。バチカン図書館を含む世界30件のArctic World Archiveの顧客を紹介し、「Arctic World ArchiveではGitHub Archive Proramを歓迎します。GitHubは初めてのソフトウェアリポジトリの顧客です」と語った。
Piql社のPatricia Alfheim氏とBendik Bryde氏 Arctic World Archiveの顧客。バチカン図書館の名前もある 技術的に興味深いものとしては、ガラスに情報を高密度に記録するMicrosoftの「Project Silica」の紹介があった。「データを安全に何千年も保存する」というコンセプトのデータストレージ媒体だ。Senior ResearcherのIoan Stefanovici氏は、熱湯に入れても、スチールたわしでこすっても、電子レンジで“チン”しても、オーブンで焼いても壊れないというところを動画で見せた。
MicrosoftのSenior ResearcherのIoan Stefanovici氏 ガラスに情報を高密度に記録するProject Silica そのほか、Internet ArchiveのFounder and Digital LibrarianのBrewster Kahle氏は、日本の古代の仏像を例に、たくさん複製することで安全に遺されたと語り、コピーして残すことの重要性を説いた。
Software Heritage FoundationのFounderのRoberto Di Cosmo氏は、宇宙船アポロ11号のソースコードや、ゲーム「Quake III」のソースコードを例に挙げながら、「Collect, preserve and share the source code of all the software that is available」というミッションを紹介した。
スタンフォード大学図書館のHenry Lowood氏は、カセットテープに記録された昔のPCゲームなどを例にして、文化の対象としてのハードウェアやソフトウェアを集めた博物館としての活動を紹介。
ロング・ナウ協会(The Long Now Foundation)のNick Brysiewicz氏は、1万年動作するという時計や、ロゼッタストーンなどの「次の1万年を考える」プロジェクトを紹介した。
Internet ArchiveのFounder and Digital LibrarianのBrewster Kahle氏 Software Heritage FoundationのFounderのRoberto Di Cosmo氏 Software Heritage Foundationの活動の例:アポロ11号やQuake IIIのソースコード スタンフォード大学図書館のHenry Lowood氏 スタンフォード大学図書館の活動の例:カセットテープに記録された昔のPCゲーム ロング・ナウ協会のNick Brysiewicz氏